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『日本人の自伝2 植木枝盛・馬場辰猪・田中正造・玉水常治・松山守善 』(平凡社)

『日本人の自伝2 植木枝盛・馬場辰猪・田中正造・玉水常治・松山守善 』(平凡社)(全23巻・別巻2巻)

1982年
549頁




目次(収録作品)

『植木枝盛自叙伝』植木枝盛
『馬場辰猪自叙伝』馬場辰猪
『田中正造昔話』田中正造
『自由か死か』玉水常治
『松山守善自叙伝』松山守善

植木枝盛は、思想家・政治家。土佐出身の自由民権運動の理論的指導者であり、民間の憲法私案である「東洋大日本国国憲案」を起草した。《植木枝盛自叙伝》は、著者の出生から1890年の愛国公党設立までが描かれ、土佐派を中心とした自由民権運動の流れとともに、独立と自由への気概に燃える青年の心意気が伝わってくる貴重な記録。一人称ではなく、第三者が著者の経歴と人となりを紹介する体裁をとっているのが特徴的である。

馬場辰猪は、思想家・政治家。土佐藩士の家に生まれ、二度にわたって英国に留学。国友会や自由党を基盤に活動し、自由民権運動の普及に努めた。《馬場辰猪自叙伝》は、英語に堪能であった著者が英文で記した“The Life of TatuiBaba”の全訳である。自らの業績を確認するために記したと考えられるが、板垣退助をはじめ、著者が軽蔑する人物は完膚なきまで批判しており、著者の気性の激しさを随所にみることができる。

田中正造は、下野国安蘇郡出身の政治家・自由民権家。栃木県議会議員時代に、当時県令(知事)だった三島通庸の暴政に断固として抵抗し、逮捕されてしまう。衆議院議員時代には、日本初の公害事件といわれる足尾銅山鉱毒事件を告発し、議員辞職後は天皇に直訴した。《田中正造昔話》には、著者の若き日々、特に三島県令に対する反抗運動が中心に描かれており、人権を蹂躙する不正行為を断じて許さなかった著者の原点を読み取ることができる。

玉水常治は、常陸国下館藩士の子に生まれた自由民権家。自由民権運動の激化運動の一つ、大阪事件に連座して投獄されたが脱獄。逃亡の日々を送るが、大日本帝国憲法発布による大赦を受けて晴れて無罪となった。《自由か死か》は、著者の逃亡の日々の筆舌に尽くしがたい苦しみの経験を、自叙伝風に記したもの。自由党員たちの覇気に満ちた心情と闘争の苦しみが、自由民権運動解体期の各地党員の姿とともに描かれた貴重な記録である。

松山守善は、幕末から第二次世界大戦敗戦の直前まで生きた、熊本出身の政治家・自由民権家。晩年は弁護士として活動し、また、キリスト教信者になった。《松山守善自叙伝》は、出生から著者80歳までの歩みと思想の変遷を、いつわらざる心境で語った自伝である。自由民権運動の熾烈な抗争の様子が生々しく描かれるとともに、妻や娘たちに寄せた私情も繊細な筆致で綴られている。

eBookJapan 商品説明より


[関連]
『植木枝盛選集』(岩波文庫)

『田中正造―田中正造昔話』(日本図書センター・人間の記録1)

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