2010年
473頁
目次(収録作品)
第1篇 鎌倉時代と日本的霊性(情性的生活/日本的霊性の自覚)
第2篇 日本的霊性の顕現(日本的霊性の胎動と仏教/霊性/日本的霊性の主体性)
第3篇 法然上人と念仏称名(平家の没落/浄土系思想の様相/念仏と「文盲」/念仏唱名)
第4篇 妙好人(赤尾の道宗/浅原才市)
第5篇 金剛経の禅(般若即非の論理/「応無所住而生其心」/三世心不可得/禅概観)
精神の根底には霊性(宗教意識)がある――。念仏や禅の本質を生活と結びつけ、法然、親鸞、そして鎌倉時代の禅宗に、真に日本人らしい宗教的な本質を見出す。日本人がもつべき心の支柱を熱く記した代表作。
出典:KADOKAWA公式サイト
現代仏教学の頂点をなす著作であり、著者が到達した境地が遺憾なく示される。日本人の真の宗教意識、日本的霊性は、鎌倉時代に禅と浄土系思想によって初めて明白に顕現し、その霊性的自覚が現在に及ぶと述べる。大拙(1870‐1966)は、日本の仏教徒には仏教という文化財を世界に伝える使命があると考え、本書もその一環として書かれた。岩波文庫版表紙(カバー)より
[関連]
『日本的霊性』鈴木大拙(1972・岩波文庫)