2017年
377頁
目次(収録作品)
第1章 聖と俗の間ー中世都市(市民の暮らし/貨幣の役割/つきあいの形)
第2章 職人絵の世界(一二人兄弟の館/靴職人の世界/衣服のタブー/石と鉄ー呪術的世界)
第3章 人と人を結ぶもの(仮面の祭り/飛脚/子供の遊び)
第4章 原点への旅(十一世紀の大転換/贈物で結ばれた世界/女性と異端/時代のはざまでーユダヤ人)
第5章 ふたたび町へ(聖性の喪失/音で結ばれた世界)
かつてヨーロッパ史において、中世は文化的にも経済的にも停滞した「暗黒時代」だと見なされてきた。そうした通俗的理解に対し、著者は、実はこの時代に後の産業革命にも匹敵するような大転換が生じていたことを、庶民や賎民の視点から丹念に描き出してみせた。貨幣経済の浸透は、人と人との関係を根底からくつがえし、人びとの日常生活や社会構造、さらには倫理や世界観をも大きく組み換えていく。ドイツ・ニュルンベルクを舞台に、民衆たちの生活世界をたどることで、そのダイナミクスを浮き彫りにする阿部史学の白眉。大佛次郎賞受賞。
出典:筑摩書房公式サイト
[関連]
『中世の窓から』阿部謹也(1981・朝日新聞社出版局)
amazon