スポンサーリンク

『大山猫の物語』レヴィ=ストロース(みすず書房)

『大山猫の物語』クロード・レヴィ=ストロース、監訳:渡辺公三、福田素子・泉克典訳(みすず書房)

2016年
392頁




目次(収録作品)

序言

第一部 霧の方へ
第1章 時ならぬ妊娠
第2章 コヨーテ父子
第3章 ツノガイを盗む女たち
第4章 時をさかのぼる神話
第5章 運命を告げる宣告
第6章 シロイワヤギたちへの訪問

第二部 晴れ間
第7章 ミミズクにさらわれた子供
第8章 服飾品、傷
第9章 根の息子
第10章 双子――サケ、クマ、オオカミ
第11章 家庭の気象学
第12章 服飾品、食糧
第13章 月から太陽へ
第14章 イヌと番う女

第三部 風の方へ
第15章 風の捕獲
第16章 インディアンの神話、フランスの民話
第17章 鳥の巣あさりの最後の帰還
第18章 モンテーニュを読み返しながら
第19章 アメリカ・インディアンの二分性イデオロギー

訳者あとがき
原注
文献
索引

〈今日、アメリカ・インディアンの二元論の哲学的・倫理学的な源へとさかのぼっていくのは可能だとわたしは思う。この二元論の原動力は、白人との初めての出会いの際にあからさまに示された、他者へ開かれた心であるように見える。白人のほうではそれと正反対の感情につき動かされていたのではあるが。「新世界」の発見と呼ぶよりは、侵略、そしてそこに住む人々や価値観の破壊と呼ぶのがふさわしそうな出来事を記念する式典が行なわれようとしているいま、そのことを認めるのは敬虔さと心からの後悔の表われとなるにちがいない〉

コロンブスによる「新大陸発見」500周年の前年、1991年に刊行された本書は、主著『神話論理』に連なる「小神話論理」と呼ばれる三部作、『仮面の道』『やきもち焼きの土器つくり』を継ぐ第三冊であり、20世紀最大の思想家のライフワークの文字通り終結をなす書である。「大神話論理」の第一巻がボロロ族の「鳥の巣あさりの神話」から出発していたのに呼応して、本書ではふたたび、ボロロの民族誌への目配せもなされている。著者はいったい何を目指し、どのような問いを投げかけようとしていたのか。
神話研究を構想してからほぼ半世紀におよんだ著者の膨大な仕事は、北アメリカのオオヤマネコ神話を軸に展開する『大山猫の物語』によって、大団円を迎える。

出典:みすず書房公式サイト

大山猫の物語

amazon  楽天


スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

Secured By miniOrange