『日本文明論への視点―われら何処より来たり、何処へ往くか』遠藤浩一編(展転社)
2012年6月15日第1刷発行
287頁
目次(収録作品)
第1章 「日本文明論」への視座(田中英道)
第2章 国体と文明―和とまことにおける自己と他者(西尾幹二)
第3章 日本語の哲学へ(長谷川三千子)
第4章 「アジア主義」の超克(古田博司)
第5章 美学と死生観(井尻千男)
第6章 日本文明における「理性」と「自由」(小堀桂一郎)
第7章 日本文明とシナ文明―その接点と境界(北村稔)
第8章 異文化受容の衝動と逆説―自己確認と自己拡大の文明・精神史(遠藤浩一)
「本書は、拓殖大学日本文化研究所が開催した、平成二十三年度の公開講座「日本文明論への視点」の講義録を再構成したもの」(p.4)。
立派な(大仰な)タイトルに”名前負け”している感がある。論題とあまり関係ない話をしている人もいる。
西尾幹二と小堀桂一郎の話が中々よい。小堀の話については、フランシスコ・ザビエルとヤジロウ(池端弥次郎、安次郎)とのやりとりをとりあげ、理性を論じている所が、特に興味深い。ヤジロウは、ザビエルに洗礼を受けた日本人最初のキリスト教徒。
[筆者注](気になった誤植。誤植が多いと説得力が減じるので気を付けて欲しいですね)
(p.32)『光は当方より』(誤)、『光は東方より』(正)[amazon]
(p.59)「この本は不敬の書だと避難され」、「非難」。
(p.97)「検討はずれな」、「見当はずれ」。
(p.147)「四天王や十二神将(中略)美しい象に」、「像」。
(p.246)『新井白石の洋楽と海外知識』(誤)、『新井白石の洋学と海外知識』(正)[amazon]
(p.282)(着物を例にした文脈で)「斬る側が」、「着る」。