『ハイエクの政治思想―市場秩序にひそむ人間の苦境』山中優(勁草書房)
2007年
300頁
目次(収録作品)
序章 なぜ今ハイエクか?
第一章 全体主義批判――“市場さもなくば隷従”
第二章 自由論――義務論と帰結主義の間で
一 社会主義批判――“人間の無知”と“自由の規律”
二 義務論的自由論――クカサスのハイエク解釈
三 帰結主義的自由論――R・クレイのハイエク解釈
四 義務論と帰結主義の併用――ハイエクの二つの顔
第三章 文化的進化論と議会制改革論――市場秩序を脅かす反市場的な自然感情
一 ハイエクの文化的進化論――方法論的個人主義から集団淘汰論へ
二 “意図せざる結果”の意味転換――個人の自由から“タブーの狡知”へ
三 議会制改革論――“意図せざる結果”後のハイエク的統治術
第四章 自生的秩序と政治権力――その現代的含意
一 目的独立的な自生的秩序――その政治権力との関係
二 現代的含意――二十一世紀の国際政治経済システムにとってのハイエクの意味
終章 市場原理復権の理想と現実――とくに日本の場合
補論1 ハイエクにおけるマルクスの軽視をめぐって
補論2 文化的進化論の批判的継承をめぐって――その近年の動向についての素描
もはや社会主義なきグローバル化の時代に、われわれはハイエクをいかに読むべきか。自然感情に反する市場秩序では、「無知な人間」は苦境に立たされる。その厳しい現実のなかで、従うべき「自由の規律」とは何か。全体主義批判から自由論、議会改革論まで、ハイエクの「政治思想」がいまこそ重要である。
アマゾン商品説明より
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