『リップマン 公共哲学』ウォルター・リップマン、小林正弥 監訳(勁草書房)
2023年
248頁
目次(収録作品)
リップマン『公共哲学』
トランザクション社版への序文[ポール・ローゼン]
第Ⅰ部 西洋の凋落
第1章 曖昧な革命
1 なぜこの書を執筆するのか
2 一九一七年──革命の年
3 民主主義諸国の内部革命
4 政府の麻痺
第2章 民主主義国家の病弊
1 戦時と平時における世論
2 過ちの強要
3 過ちのパターン
4 民主的政治家
第3章 権力の錯乱
1 統治者と被治者
2 人々と投票者
3 新たに選挙権を得た投票者
第4章 公共的利益
1 公共的利益とは何か
2 現実の等式
第5章 二つの機能
1 選挙による執行部〔行政〕
2 執行部の保護
3 投票者と執行部
4 弱体化した執行部
第6章 全体主義的反革命
1 いくつかの教訓
2 一つの予想
第7章 自由民主主義の敵対者
1 自由主義とジャコバン主義
2 革命というパラダイム
3 民主的教育
4 ジャコバン主義からレーニン主義へ
5 分を超えること
第Ⅱ部 公共哲学
第8章 公共哲学の失墜
1 理念の効力について
2 大いなる真空
3 公共哲学の放置
4 理性的秩序の普遍的な法
5 現代における断絶
第9章 公共哲学の刷新
1 信ずる能力
2 例として──所有理論
3 例として──言論の自由
4 異議の限界
5 歴史の鏡
6 人間の第二の本性
第10章 二つの領域
1 領域の混同
2 この世における善
3 法と預言者
4 霊の領域
5 力の均衡
6 均衡の力学
第11章 文明的品性の擁護
1 テーゼの再説
2 公共哲学の伝達
3 具体化された立憲主義
4 適応の言語
5 適応の限界
6 神の死
7 天命
アメリカで活躍したジャーナリスト・著述家のウォルター・リップマン(1889-1974)による警世の書。第二次世界大戦前後、西洋文明と自由民主主義が陥った惨禍から省察を重ね、その再生への鍵を公共哲学に託し、聖書や自然法の言語を駆使して生き生きと甦らせようとした。現下の危機においてこそ、読み直すべき古典的名著。
出典:勁草書房公式サイト