『わが息子よ、君はどう生きるか』フィリップ・チェスターフィールド、竹内均訳(三笠書房)
2016年
304頁
目次(収録作品)
第1章 わが息子へ
──「今この時をどう生きるか」が君の人生を決める。
第2章 「人間の器」を大きくする生き方
──「人並み」で満足したら進歩はない。大欲をかけ、あとは意志の力、集中力だ。
第3章 一生の友情をどう育てるか
──自分を伸ばす友人、引き立ててくれる人をどう見つけ、どうつき合うか。
第4章 自分の「意見」を持て
──自己主張のない人間は絶対に伸びない。判断力・表現力を身につける決め手。
第5章 「最高の人生」を送る日々の心がけ
──仕事(勉強)も遊びもしっかりやれ。
第6章 自分の「殻」が固まらないうちにやっておくべきこと
──本をたくさん読みなさい。そして、とにかく「外」へ出てみなさい。
第7章 「人間関係」の秘訣
──人を陰でほめているか、気配りが自然にできているか。
第8章 自分の「品格」を養う
──学問ばかりが勉強ではない。
第9章 わが息子に贈る「人生最大の教訓」
──人間、タフでなければ生きられない。
著者は英国の政治家、外交官。(1694-1773)
本書は著者が息子に宛てた手紙をまとめた書『Lord Chesterfield’s Letters to His Son』の邦訳。
1694年(元禄7)は、第5代将軍・徳川綱吉が「生類憐みの令」を発令した年。著者はかなり昔の人。
息子を立派な紳士に成長させるために、具体的に心構え、礼儀作法、生活の仕方などを諭している。
高校生でも分かっている常識的なことも多いが、読んで損はない本。
本書は江戸時代の英国の外交官が、息子を当時の社会のなかで立派な政治家や外交官等になって欲しいという思いで書いた手紙である。その点を理解していないと著者の言わんとしていることを捉えられない恐れがある。
この時代でも若者は遊び人や不良を気取っていたというのが、おもしろかった。(著者は、それを再三戒めている)
[関連]
『わが息子よ、君はどう生きるか』フィリップ・チェスターフィールド、竹内均訳(新装版2013・三笠書房)238頁、定価:1,540円(税込)
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「Chesterfield’s Letters to His Son」(英文)(Project Gutenberg)