スポンサーリンク

『名文を読みかえす』馬場啓一(いそっぷ社)

『名文を読みかえす―夏目漱石からプロジェクトXまで』馬場啓一(いそっぷ社)

2011年4月20日初版発行
207頁




著者は、元CMディレクターの作家・エッセイスト。

文章読本、文章術の本。著者が、巧いとする文章を採り上げそのテクニックを解説する。
見開きに2ページに引用、続いて見開き2ページに解説という構成でそれが50もある労作。

この手の本は、引用する文章の質、その選択のセンスであらかた良否が決まる。そして、のこりは著者の解説や分析の質および著者自身の筆力である。

筆者には、よい選択に感じなかった。また、著者の文章はエッセイストやコラムニストにしばしば見られる軽薄なテイストの文体で好みでない。

ただ、ブックガイドとしては参考になったので、その点はよかった。参考のため本書で引用している本を記す。

1『日本ぶらりぶらり』山下清(ちくま文庫)
2『明るいクヨクヨ教』[amazon]東海林さだお(文春文庫)
3『パン屋の一ダース』[amazon]川本三郎(リクルート出版)
 『旅先でビール』[amazon]川本三郎(潮出版社)
4『プロジェクトX―リーダーたちの言葉』(文春文庫)
5『パイプのけむり』[amazonで見る]團伊玖磨(朝日文庫)
6『菊次郎とさき』[amazon]ビートたけし(新潮文庫)
7『なんとなくな日々』川上弘美(新潮文庫)
8『鬼平犯科帳』[amazon]池波正太郎(文春文庫)
9『小石川の家』青木玉(講談社文庫)
10『三谷幸喜のありふれた生活』[amazon]三谷幸喜(朝日新聞社)
11『月の塵』[amazon]幸田文(講談社文)
12『日本百名山』深田久弥(新潮文庫)
13『まだふみもみず』檀ふみ(幻冬舎文庫)
14『J・J氏の男子専科』[amazon]植草甚一(晶文社)
15『いい旅を、と誰もが言った』[amazonで見る]片岡義男(角川文庫ほか)
16『愛人の数と本妻の立場』[amazon]向井万起男(講談社)
17『愛と哀しみのルフラン』[amazon]岩谷時子(講談社)
18『ヨーロッパ退屈日記』伊丹十三(新潮文庫)
19『君等の人生に乾盃だ!』[amazon]山口瞳(講談社)
20『春宵十話』岡潔(光文社文庫)
21『ベラルーシの林檎』[amazon]岸恵子(朝日新聞)
22『吉原御免状』[amazon]隆慶一郎(新潮文庫)
23『夕べの雲』[amazon]庄野潤三(講談社文芸文)
24『小説世界のロビンソン』[amazon]小林信彦(新潮社)
25『むかし噺うきよ噺』[amazon]小沢昭一(新潮文庫)
26『赤めだか』立川談春(扶桑社文庫)
27『TUGUMI(つぐみ)』[amazon]吉本ばなな(中公文庫)
28『遠い太鼓』[amazon]村上春樹(講談社文庫)
29『ベルトの穴』[amazon]神吉拓郎(毎日新聞社)
30『なつかしい芸人たち』[amazon]色川武大(新潮文庫)
31『泣く大人』[amazon]江國香織(角川文庫)
32『さも虎毛の三毛』[amazon]土屋耕一(住まいの図書館出版局)
33『熊猫荘点景』[amazon]金子兜太(冬樹社)
34『生物としての静物』[amazon]開高健(集英社文庫)
35『いつか聴いた歌』[amazon]和田誠(文春文庫)
36『きみのためのバラ』[amazon]池澤夏樹(新潮文庫)
37『草枕』[amazon]夏目漱石(新潮文庫)
38『串刺し教授』[amazon]筒井康隆(新潮文庫)
39『死ぬの大好き』[amazon]山本夏彦(新潮社)
40『塀の中の懲りない面々』[amazon]安部譲二(文春文庫)
41『オノマトピア―擬音語大国にっぽん考』[amazon]桜井順(岩波現代文庫)
42『きまぐれ暦』[amazon]星新一(新潮文庫)
43『しぐさの日本文化』[amazonで見る]多田道太郎(角川文庫・講談社学術文庫ほか)
44『深代惇郎の天声人語』[amazon]深代惇郎(朝日文庫)
45『かくれ里』[amazonで見る]白洲正子(新潮社ほか)
46『メルヘン誕生―向田邦子をさがして』[amazon]高島俊男(いそっぷ社)
47『ほぼ日刊イトイ新聞の本』[amazon]糸井重里(講談社文庫)
48『街道をゆく42 三浦半島記』[amazon]司馬遼太郎(朝日文庫)
49『日本語を書く作法・読む作法』[amazon]阿刀田高(角川文庫)
50『考えるヒント2』[amazon]小林秀雄(文春文庫)

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

Secured By miniOrange