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『現人神の創作者たち』山本七平(ちくま文庫)

『現人神の創作者たち』(上下)山本七平(ちくま文庫)

上巻

2007年
283頁

目次(収録作品)

慕夏思想・天皇中国人論と水土論
亡命中国人に発見された楠木正成
日本=中国論の源流
もし孔子が攻めてきたら
国家神道という発想
正統的な儒学者・佐藤直方
偽書のたどった運命
殉忠の思想
政治が宗教になる世界
志士たちの聖書
売国奴と愛国者のあいだ

日本は抗い難い力に引きずられるように、破滅をもたらした戦争に突き進んだ。戦後は、「戦時下」の記憶を抹殺して高度成長を成し遂げたが、実は正体不明の呪縛は清算されず、「まやかし」によってやり過ごしてきたのである。上巻では、江戸期に幕府の官学となった朱子学が神道と混淆し、幕府の正統性を証明しようとする手続きの中から「尊皇思想」が成立してゆく過程を描く。

出典:筑摩書房公式サイト


下巻

2007年
317頁

歴史への「共鳴・掘り起し現象」
聖人から極悪人へ
「輸入史観」適用の無理
源義朝は大悪人か
自ら権力を放棄した朝廷
「華」を目指す「夷」の優等生
歴史の過ちを正すという発想―大政奉還の預言
失徳・無能の天子・後醍醐天皇批判
天皇批判の逆効果
応用問題としての赤穂浪士論
現人神の育成者へ、そして明治維新へ

徳川幕府から天皇への平和的な「大政奉還」は世界史的に珍しい現象である。その原動力となったのは「慕夏思想」から転じた朱子学的理想主義だった。二重の「回心」はどのように進められたのか。下巻では、山崎闇斎と「崎門三傑」の理論を震源とした、幕末の歴史の見直し運動の特徴と影響を問題史的に検討し、そのプロセスを明らかにする。

出典:筑摩書房公式サイト

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