『近代世界の公共宗教』ホセ・カサノヴァ、津城寛文訳(ちくま学芸文庫)
2021年
608頁
目次(収録作品)
1 序論
1章 世俗化と啓蒙主義と近代宗教
2章 私的宗教と公共宗教
2 五つの事例研究─分析的序論
3章 スペイン─国家教会から公認廃止へ
4章 ポーランド─国民の教会から市民社会へ
5章 ブラジル─寡頭制の教会から民の教会へ
6章 福音主義プロテスタンティズム─市民宗教から根本主義セクト、新キリスト教右翼へ
7章 合衆国におけるカトリシズム─私的デノミネーションから公的デノミネーションへ
3 結論
8章 近代宗教の脱私事化
1980年代以降、宗教は公的領域に再登場してきた。この啓蒙主義や近代化論の想定に反する事態は、いったい何を意味するのか。著者は、世俗化論を再検討し、方法論を明確に打ち出しながら、スペイン、ポーランド、ブラジル、アメリカ合衆国の4カ国において宗教が“脱私事化”していくプロセスを分析する。本書全体を通じて明らかになるのは、宗教の復興がグローバルな趨勢の中で行われているということだ。現代屈指の宗教社会学者が、近代化=世俗化というテーゼに根本から修正を迫った古典的名著。文庫化に際しては、原著刊行後の展望に触れた「改訂日本語版への序文」を付す。
出典:筑摩書房公式サイト