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『火星からの侵略―パニックの心理学的研究』ハドリー・キャントリル(金剛出版)

『火星からの侵略―パニックの心理学的研究』ハドリー・キャントリル、高橋祥友訳(金剛出版)

2017年
244頁




目次(収録作品)

1 とても信じられなかった―放送
2 何か恐ろしかった―パニックの性質と範囲
3 ラジオ劇のようには感じられなかった―その刺激をどう経験したのか
4 何かをしなければならない―どのような反応が起きたのか
5 わかった―批判力
6 とても心配だった―批判力を妨げる条件
7 問題の多い世界に存在していること―歴史的状況
8 個人的背景―個別の事例
9 不安が現実となった―なぜパニックが生じたのか?

一九三八年のハロウィーンの晩に,名優オーソン・ウェルズはマーキュリー劇場というラジオ番組で,H・G・ウェルズの空想小説『宇宙戦争』を基にラジオドラマを実にありありと,いかにも現実の出来事のように放送した。その結果,少なくとも百万人の米国人が恐怖に駆られ,数千人がパニックに陥った。本書で報告する研究は,この放送直後に開始されて,何が集団行動の主な心理的理由と考えられるかを探るために,人々の反応について調査した。……(本書序文より)
地震,テロ事件など大規模災害では,流言飛語をどのようにコントロールするかがつねに大きな課題となる。パニック発生時のコミュニケーションや集団行動に興味のある人々にとって,本書は今も価値がある。 現在は,核弾頭を積んだ大陸間ミサイルが存在し,その巨大な破壊力に対して,火星人の侵略よりも遙かに強い妄想が人々に生じる可能性がある。またヨーロッパへの難民流入への極端な報道により,人々に行き過ぎた不安とパニックを引き起こす下地は今なお存在している。
80年前の歴史上有名なこの事件について書かれた本書は,現代にも起こりうる,パニック状況における伝染性のある恐怖の人間心理を詳細に分析したものといえよう。

出典:金剛出版公式サイト

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