1982年4月20日第1刷発行
212頁
目次(収録作品)
1 社会 societyを持たない人々の翻訳法
2 個人 福沢諭吉の苦闘
3 近代 地獄の「近代」、あこがれの「近代」
4 美 三島由紀夫のトリック
5 恋愛 北村透谷と「恋愛」の宿命
6 存在 存在する、ある、いる
7 自然 翻訳語の生んだ誤解
8 権利 権利の「権」、権力の「権」
9 自由 柳田国男の反発
10 彼、彼女 物から人へ、恋人へ
かつて,この国に「恋愛」はなかった.「色」や「恋」と区別される“高尚なる感情”を指してLoveの翻訳語がつくられたのは,ほんの一世紀前にすぎない.社会,個人,自然,権利,自由,彼・彼女などの基本語が,幕末―明治期の人びとのどのような知的格闘の中から生まれ,日本人のものの見方をどう導いてきたかを明らかにする.
出典:岩波書店公式サイト
著者は、翻訳語研究者。(1928-2018)
本書は、目次にある欧米からの翻訳語の成り立ちや論争などについて論じたもの。平明に書かれていて分かりやすい。言葉に興味のある人には、おすすめの教養的な本。
