1982年
212頁
目次(収録作品)
1 社会
societyを持たない人々の翻訳法
2 個人
福沢諭吉の苦闘
3 近代
地獄の「近代」、あこがれの「近代」
4 美
三島由紀夫のトリック
5 恋愛
北村透谷と「恋愛」の宿命
6 存在
存在する、ある、いる
7 自然
翻訳語の生んだ誤解
8 権利
権利の「権」、権力の「権」
9 自由
柳田国男の反発
10 彼、彼女
物から人へ、恋人へ
かつて,この国に「恋愛」はなかった.「色」や「恋」と区別される“高尚なる感情”を指してLoveの翻訳語がつくられたのは,ほんの一世紀前にすぎない.社会,個人,自然,権利,自由,彼・彼女などの基本語が,幕末―明治期の人びとのどのような知的格闘の中から生まれ,日本人のものの見方をどう導いてきたかを明らかにする.
出典:岩波書店公式サイト