『樺太一九四五年夏―樺太終戦記録』金子俊男(ちくま学芸文庫)
2023年
752頁
目次(収録作品)
凍土に起る砲声
風騒ぐ国境線
緒戦における国境戦闘
国境戦線異状あり
古屯の激戦
八方山の戦闘停止
混乱の始まり
ソ連軍、塔路に進攻
恵須取、上恵須取の壊滅
死の避難行
非情の果て
三引揚げ船の遭難
地獄図絵、真岡の町
戦い敗れて…
第一大隊かく戦えり
樺太一九四五年八月以後
第二次大戦における沖縄戦が「国内唯一の地上戦」と語られることがある。しかし実際にはもう一つの熾烈な地上戦があった。旧日本領南樺太へのソ連侵攻である。1945年8月9日朝、ソ連軍は突如日ソ中立条約を破棄し、日本軍の軍事施設、警察施設を攻撃する。侵攻を想像しなかった日本側には、戦車の鋼板を打ち破れる火砲は数門あるのみ。残された手段は破甲爆雷を背負って飛び込むしかなかった。満足な武器もない兵士たちはわが家の見える丘の上で死んでいき、守る者のいない市民は地獄の苦しみに突き落とされた。わずか2週間で4千人以上の戦死者を出した悲劇の記録。
出典:筑摩書房公式サイト
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「樺太 1945年 夏 氷雪の門」[DVD] (本書が原作の映画)