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『民主政の不満』マイケル・サンデル(勁草書房)

『民主政の不満』(上下)マイケル・サンデル、金原恭子・小林正弥 監訳(勁草書房)

『民主政の不満―公共哲学を求めるアメリカ(上)手続き的共和国の憲法』

2010年
227頁

目次(収録作品)

第1部 手続き的共和国の憲法
 第1章 現代リベラリズムの公共哲学…
 リベラルの自由と共和主義の自由
 中立性への志向
 功利主義対カント的リベラリズム
 リベラルの自己
 カント主義的リベラリズムへの批判
 最小限主義的リベラリズム
 最小限主義的リベラリズムへの批判
 中絶論争 リンカーン-ダグラス論争

第2章 権利と中立的国家…
 自由と自己統治 
 アメリカ立憲主義の出現 
 初期共和国における権利章典 
 第14修正以降:切り札としての権利 
 ホウムズ裁判官の反対意見:中立性の示唆 
 中立的国家における民主政と権利 
 正の優先性の是認 

第3章 宗教的自由と言論の自由…
 宗教に対する中立性の探求
 宗教に対する中立性の正当化
 良心の自由対選択の自由
 言論の自由――中立性の到来
 猥褻と中立性
 自己統治から自己表現へ
 集団的名誉毀損と人格についての考え方
 チャプリンスキーとボハネス
 スコーキーにおけるナチス
 フェミニストのポルノグラフィー反対論

第4章 プライバシー権と家族法…
 親密さと自律
 古いプライバシーから新しいプライバシーへ
 妊娠中絶と最小限主義的寛容擁護論
 同性愛および寛容についての主意主義的擁護論
 無責主義的家族法
 婚姻,離婚,そして負荷なき自己
 寛容,自己統治,そして共同体
 
要約 一ノ瀬佳也・吉永明弘・小林正弥…
解説 小林正弥・一ノ瀬佳也…
付録 チャールズ・テイラー及びマイケル・サンデルとの質疑応答

政治的制度は、それとは独立に育まれる思想を実現するための単なる道具ではない。政治的制度はそれ自身が思想の具現なのである。我々が正義の意味や善き生の本質といった究極的問いに抗いたくとも、我々は何らかの理論を生きているということからは逃れられないのだ。この立場から、アメリカ憲政論とその公共哲学を論じた現代の古典。

出典:勁草書房公式サイト


『民主政の不満―公共哲学を求めるアメリカ(下)公民性の政治経済』

2011年
326頁

第2部 公民性の政治経済
第5章 初期共和国における経済論と美徳
 繁栄,公正,そして公民的美徳
 公民的美徳と憲法
 フェデラリスト対ジェファソン主義者
 国内工業をめぐる論争
 工場の生活と共和主義の理想
 ジャクソン主義時代の経済的議論

第6章 自由労働対賃労働
 公民的な考え方と主意主義的な考え方
 賃労働と奴隷制
 自由労働と共和主義的政治
 金メッキ時代における労働者共和主義
 一日八時間労働
 裁判所における賃労働
 公民的理想の消滅

第7章 共同体,自己統治,革新主義的改革
 組織の時代と対峙して
 革新主義的改革:人格形成の大望
 革新主義の政治経済論

第8章 リベラリズムとケインズ革命
 ニューディール改革の競合する諸見解
 支出による解決策
 ケインズ経済学と手続き的共和国

第9章 手続き的共和国の勝利と苦悩
 支配力の短かい時期
 主意主義的展望
 リベラリズムと福祉の権利
 時代の自己イメージ
 支配力の喪失
 不満に取り組むための暗中模索

結論 公共哲学を求めて
 共和主義的自由:その困難と危険性
 人格形成の企てを回避する試み
 美徳の再燃
 公民性の政治経済論の復興
 地球的な政治と特定のアイデンティティ
 主権国家と至高権的自己を超えて

上巻「手続き的共和国の憲法」では、共和主義の歴史的影響を辿りアメリカ憲法の理念が明らかにされ、アメリカの憲政が次第に共和主義的なものから手続き的なものへと移行していった経緯が辿られた。下巻では、共和主義的思想がアメリカの政治経済の発展に大きな影響を与えていたことが具体的に述べられ、そしてそれが失われていく過程が辿られる。

出典:勁草書房公式サイト

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