『Humankind 希望の歴史―人類が善き未来をつくるための18章』(上下)ルトガー・ブレグマン、野中香方子訳(文藝春秋)
上巻
2021年
272頁
目次(収録作品)
序章 第二次大戦下、人々はどう行動したか
第1章 あたらしい現実主義
第2章 本当の「蝿の王」
Part1 自然の状態 ホッブズの性悪説 VS ルソーの性善説
第3章 ホモ・パピーの台頭
第4章 マーシャル大佐と銃を撃たない兵士たち
第5章 文明の呪い
第6章 イースター島の謎
Part2 アウシュヴィッツ以降
第7章 「スタンフォード監獄実験」は本当か
第8章 「ミルグラムの電気ショック実験」は本当か
第9章 キティの死
下巻
2021年
270頁
Part3 善人が悪人になる理由
第10章 共感はいかにして人の目を塞ぐか
第11章 権力はいかにして腐敗するか
第12章 啓蒙主義が取り違えたもの
Part4 新たなリアリズム
第13章 内なるモチベーションの力
第14章 ホモ・ルーテンス
第15章 民主主義は、こんなふうに見える
Part 5 もう一方の頬を
第16章 テロリストとお茶を飲む
第17章 憎しみ、不正、偏見を防ぐ最善策
第18章 兵士が塹壕から出るとき
エピローグ 人生の指針とすべき10のルール
本国オランダでは発売忽ち25万部突破、世界46カ国ベストセラー!
近現代の社会思想は、”性悪説”で動いてきた。
・ホッブズいわく「万人の万人に対する闘争」
・アダム・スミスによると、人は損得勘定で動くホモエコノミクス
・ダーウィンが唱えた、自然淘汰説
・ドーキンスは『利己的な遺伝子』を執筆
・少年たちのいじめ本性を描いた『蠅の王』がノーベル文学賞また”性悪説”を裏付けるような心理学実験や人類学の調査がなされてきた。
・スタンフォード監獄実験(人は役割で容易に悪人になれる)
・ミルグラムの電気ショック実験(ナチス「凡庸な悪」の説明根拠に)
・イースター島絶滅の謎(内戦が理由とされ人肉食説すら唱えられた)だが、これらは本当か。著者は、”暗い人間観”を裏付ける定説の真偽を確かめるべく
世界中を飛び回り、関係者に話を聞き、エビデンスを集めたところ意外な結果に辿り着く。
なぜ人類は生き残れたのか。民主主義や資本主義や人間性の限界を踏まえ、
いかに社会設計すべきか、どう生き延びてゆくべきかが書かれた「希望の書」。出典:文藝春秋BOOKS