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『完本 梅干と日本刀』樋口清之(祥伝社黄金文庫)

『完本 梅干と日本刀―日本人の知恵と独創の歴史』樋口清之(祥伝社黄金文庫)

2000年2月25日初版第1刷発行
651頁




目次(収録作品)

1章 日本には古来、すごい“科学”があった―意識せずに、合理的な生活をしてきた日本人
2章 驚くべき“自然順応”の知恵―それは、日本人の鋭い観察力がもたらした
3章 日本人は“独創性”に富んでいる―外来文化の“モノ真似上手”は、皮相な見方
4章 住みよい“人間関係”を作った日本人―日本こそ“女尊男卑”の国だった
5章 東京顔負け!“江戸”の驚異的な都市計画―あらゆる災害に備えて造られた江戸の街
6章 日本は、江戸時代から“世界一の教育国”-農民は字が読めなかったと考えるのは大間違い
7章 意外!日本は古来“ヨコ社会”が土台だ―タテ割り社会を、ヨコ割りの上に重ねた日本の社会
8章 日本の文化は、柔軟な“建増し”構造―あらゆるものを貪欲に呑み込んだ日本の重層社会
9章 独創を誇る“日本的経営”の起源―世界無比の配置売薬制や越後屋商法は、どこから生まれたか
10章 日本企業の驚くべき柔軟性の原体―“擬制家族制”の厳しさと優しさが危機乗り越えの秘密だ
11章 適応力抜群の日本のビジネスマン―脱落者も救いあげる万全の人格教育がそれを育てた
12章 古来、計画性に富む日本の職業教育―“家”の経営こそ、すべての経営の出発点だった

本書は『梅干と日本刀』、『続・梅干と日本刀』、『梅干と大福帳』(のち『梅干と日本刀(下)―いま見直される”日本的経営”の原点』)の3冊を合本したもの。

著者は考古学者。(1909-1997)

食品、治水、建築、江戸の文化など様々な事柄を具体的に論じた日本論・日本人論。
我が国の誇るべき点を多く挙げていて全体的には悪くはない。しかし、根拠を示さずに論じている所、事実ではないこと、そういう説があるというのを事実のように決めつけている所が多いのがかなり気になる。
[筆者注]にごく一部を指摘する。

[筆者注]
(p.97)「唐辛子はビタミンAだから、足を入れて摩擦すると、発熱がよく(略)
(ビタミンAで発熱する訳ではないのでは)

(p.214)「べスター」。
ヘスティア(ウェスタ)ギリシア神話の炉や竈の女神。

(p.376)「ヒロウズというのは、ポルトガル語で、コロッケのことである。」
(フィリョースは、コロッケではなく小麦粉に卵、砂糖などを混ぜ合わせ揚げた菓子である。)

(p.386)「江戸時代の農民たちへの搾取は、「五公五民」にはじまって「六公四民」「七公三民」と、時代とともにひどくなっていった(略)
(時代が下るにつれ楽になっていったはずだが。)

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