『心とトラウマ 千夜千冊エディション』松岡正剛(角川ソフィア文庫L-500-14)
2020年
416頁
目次(収録作品)
第1章 心についた傷(斎藤茂太『女のはないき・男のためいき』八〇三夜/北杜夫・斎藤由香『パパは楽しい躁うつ病』一七二一夜 ほか)
第2章 自分の中の別人たち(アシュレイ・モンターギュ『ネオテニー』一〇七二夜/デイヴィッド・ホロビン『天才と分裂病の進化論』六八四夜 ほか)
第3章 脳が心を見ている(ワイルダー・ペンフィールド『脳と心の正体』四六一夜/カール・ポパー&ジョン・エクルズ『自我と脳』一〇五九夜 ほか)
第4章 心理学と「私」の間(カート・ダンジガー『心を名づけること』一七二三夜/ゲオルグ・グロデック、野間俊一『エスとの対話』五八二夜 ほか)
「私」って誰?「自分」の正体は何?
鬱が蔓延している。社員の17%が鬱と診断された会社もあるという。もはやひとごとではない。意識や精神はどこにあるのか。脳と心は別ものなのか。自分の中に別人がいる感覚や、鏡の中に自分がいる感覚。だれもが持ちうる違和感に焦点をあてる。
子どもの期間が長く、子どもの特徴を残したままゆっくりと成熟することを生物学で「ネオテニー」という。人間やカエルなどもそれにあたる。成長しきれない1つ前の段階、それが何らかのきっかけで解除できず幼児性が出てしまうことも、ひとつの精神現象なのかもしれない。
なにかと生きづらさを感じるこの世の中で、自分の中の道しるべにふと気づける本が満載。出典:KADOKAWA公式サイト