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『ハイデガー哲学入門』仲正昌樹(講談社現代新書)

『ハイデガー哲学入門―『存在と時間』を読む』仲正昌樹(講談社現代新書)

2015年
264頁




目次(収録作品)

第1章 何故、「主体」ではなく、「現存在」と言うのか?(「存在」への問い/「我あり」から「存在」そのものへ ほか)
第2章 「ひと=世間」の何が問題なのか?(「共同存在」としての「現存在」/「ひと」の「空談」 ほか)
第3章 「死に向かう存在」にとっての「良心」とは?-「覚悟」するのは誰か?(死に向かう存在/死と投企と自由 ほか)
第4章 「存在」と「時間」はどういう関係なのか?(理解と時間性/時間性と歴史性 ほか)
終章 『存在と時間』の残した課題

ハイデガーの主著『存在と時間』は、サルトル、レヴィナス、デリダ等のフランス現代思想や、アメリカのネオ・プラグマティズムに大きな影響を与え、ドイツのフランクフルト学派からは克服すべきドイツ的な思考の象徴と見なされてきた。この著作についてはこれまで多くの解説書が出されてきたが、そのほとんどは、アリストテレスや中世スコラ哲学、新カント学派、フッサール現象学、ユクスキュルの生物学等からの影響や相関関係をめぐる専門的な問題に集中しすぎるきらいがあった。それがどうして当時のドイツやフランスの若者を引き付けたのか、どうして現在でも多くの哲学者を魅了しているのか、彼の思考の枠組みは従来の哲学とどう違うのか、「実存」や「存在」に関する彼の問いかけや「ひと」に対する批判は、普通の人の人生にとってどういう意味があるのか、最も知りたいことについてストレートな説明を与える入門書は少ない。
本書は、影響関係や他のテクストに関する記述はできるだけコンパクトにして、『存在と時間』の主要な――専門家でない哲学学習者にとっても興味深い――箇所を細かく読解しながら、このテクストがそもそも何を問題にしているか明らかにすることを試みる。

出典:講談社BOOK俱楽部

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