『往生要集 全現代語訳』源信、川崎庸之・秋山虔・土田直鎮訳(講談社学術文庫)
2018年
576頁
目次(収録作品)
大文第一 厭離穢土
大文第二 欣求浄土
大文第三 極楽の証拠
大文第四 正修念仏
大文第五 助念の方法
大文第六 別時念仏
大文第七 念仏の利益
大文第八 念仏の証拠
大文第九 往生の諸行
大文第十 問答料簡
末文
源信の生涯と思想
極楽と地獄。多くの日本人に浸透するこの観念は、そもそもなにに根ざすのでしょうか。
平安時代中期、「末法の世」に惑う人びとに死後の往生の方法を説くために、僧・源信(942-1017)が、膨大な経典・論疏から極楽往生にまつわる重要な要素を集成しまとめたものが『往生要集』です。
源信は同書で「極楽」と「地獄」の概念を具体的かつわかりやすく示し、死後の極楽往生のために一心に仏を想う念仏の重要性を説きます。その教えは同時代の貴族・庶民に受け入れられ日本浄土教の基礎となるとともに、文学や思想にまで影響を与え、後代の日本人に深く影響を与え続けています。
本書は川崎庸之、秋山虔、土田直鎮の三碩学が学問的精緻さを駆使し、日本仏教史上、最重要とされるこの仏教書を平易な現代語訳として甦らせました。さらに巻末に添えられた解説「源信の生涯と思想」は『往生要集』の世界のより深い理解を助けます。
浄土への道を学ぶうえで必読の書『往生要集』、本格的決定版と呼べる名著の文庫化です。本書は、1972年3月、中央公論社より刊行された『日本の名著 第四巻「源信」』より、「往生要集」を文庫化したもの。
出典:講談社BOOK俱楽部
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