『忘れ残りの記』吉川英治(吉川英治歴史時代文庫77・講談社)
1989年
358頁
目次(収録作品)
忘れ残りの記
自筆年譜
ゴルフ場の日だまりで(吉川文子)
忘れ残りの記の旅(吉川英明)
厳父の家業失敗により、著者は11歳で実社会に抛り出された。以来、印章店の小僧、印刷工、給仕、小間物の行商、港の船具工など、幾多の職業を経験し、浮世の辛酸をなめ尽す。幼いながら一家の大黒柱としての自覚、また逆境に芽生える思慕の情、隆盛期の横浜が少年の著者に投げかけた強い色彩――その波瀾に富んだ少年期を回想した四半自叙伝であり、吉川文学の原点でもある。
出典:講談社BOOK俱楽部