『引き裂かれた自己―狂気の現象学』R.D. レイン、天野衛訳(ちくま学芸文庫)
改訳版2017年
360頁
目次(収録作品)
1(人間科学の実存主義的―現象学的基礎/精神病の理解のための実存主義的―現象学的基礎/存在論的不安定)
2(肉化された自己と肉化されざる自己/統合失調気質における内的自己/偽自己―体系/自意識/ピーターの場合)
3(精神病への進展/統合失調症における自己および偽りの自己/廃園の亡霊・慢性統合失調症の研究)
世界から隔絶されているように感じられ、絶望的な孤独のなかで自分自身が分断されていく―統合失調症とはそうした病である。しかし、患者の世界に徹底的に寄り添い、彼らの声に真摯に耳を傾けていくなかでみえてくるのは、苛烈な現実に身を置かざるをえなかったひとりの人間が、それでもなんとか生きようと苦闘する、その姿である。従来の精神医療のあり方に疑問を抱き、反精神医学運動の旗手となった異才の精神科医R.D.レイン。その主著にして、ドゥルーズ=ガタリらの現代思想や、今日のサブカルチャーにも多大な影響を与えつづける古典的名著。
出典:筑摩書房公式サイト