『インディアスの破壊についての簡潔な報告』ラス・カサス、染田秀藤訳(岩波文庫)
改訂版2013年
352頁
目次(収録作品)
インディアスの破壊についての簡潔な報告/エスパニョーラ島について/エスパニョーラ島にかつて存在した諸王国について/サン・フアン島とジャマイカ島について/キューバ島について/ティエラ・フィルメについて/ニカラグア地方について/ヌエバ・エスパーニャについて/グアティマラ地方とその王国について/ヌエバ・エスパーニャ、パヌコ、ハリスコについて/ユカタン王国について/サンタ・マルタ地方について/カルタヘーナ地方について/ペルラス海岸、パリア海岸、トリニダード島について/ユヤパリ川について/ベネスエラ王国について/大陸にあってフロリダと呼ばれる地域の諸地方について/ラ・プラタ川について/ペルーにある数々の広大な王国と地方について/新グラナダ王国について
キリスト教化と文明化の名の下に新世界へ馬を駆って乗込んだスペイン人征服者たちによる搾取とインディオ殺戮が日常化している植民地の実態を暴露し,告発した書.1552年に印刷に付されたこの「報告」は,刊行直後から十九世紀末まで,スペインと敵対する諸外国により反スペイン宣伝の格好の道具として使われ続けた.改訳決定版.
出典:岩波書店公式サイト
1542年に書かれたこの『簡潔な報告』は、キリスト教と文明の名の下に新世界へ馬を駆って乗込んだ征服者=スペイン人たちによる搾取とインディオ殺戮が日常化している植民地の実態を暴露し、西欧による地理上の諸発見の内容を告発した。形態は変貌しつつも今なお続く帝国主義と植民地問題への姿勢をきびしく問いかける書である。
旧版の表紙(カバー)より