『駒形丸事件―インド太平洋世界とイギリス帝国』秋田茂・細川道久(ちくま新書)
2021年
270頁
目次(収録作品)
第1章 一九-二〇世紀転換期の世界とイギリス帝国の連鎖
(イギリス帝国の構造/「アジア間貿易」の形成と移民/日英同盟とインド太平洋世界/「帝国臣民」としてのインド人移民―南アフリカにおけるガンディー)
第2章 インド・中国・日本―駒形丸の登場
(中国人・日本人移民の排斥/インド人移民排斥―「連続航路規定」/グルディット・シンの事業計画と日本帝国)
第3章 バンクーバーでの屈辱ー駒形丸事件
(上陸拒否/裁判/強圧と抵抗/退去/駒形丸退去後のカナダ)
第4章 駒形丸事件の波紋
(寄港地日本での駒形丸―横浜から神戸へ/「コルカタの悲劇」-バッジ・バッジ騒乱/「駒形丸事件」からアムリトサルの虐殺へ)
終章 インド太平洋世界の形成と移民
(港湾都市のネットワークとトランス・ナショナリズム/「帝国臣民」の論理・再考)
一九一四年にカナダ・バンクーバーで起きた「駒形丸事件」。インド人移民の上陸が拒否され、多数の死者をコルカタで出した悲劇である。日本ではほとんど知られていない「駒形丸事件」であるが、この小さな事件を通して歴史を眺めると、ミクロな地域史からグローバルな世界史までを総合的に展望できる。移民史・政治史・経済史を融合させることで、インド太平洋からの新しい世界史像を提示するグローバルヒストリーの画期的な成果。
出典:筑摩書房公式サイト