1984年3月30日初版発行
216頁
目次(収録作品)
〈序〉今、なぜ、ハーンか
1 ハーン前景
1 思潮のうねり―宣長・明治維新・ハーン
2 ハーンとスペンサー―思想の生命
3 ギリシアとケルト―澄明と神秘
4 孤独と苦闘―谷間の時代
2 ミシシッピー河のさざなみ
1 二人の偉大な文人―ラフカディオ・ハーンとマーク・トウェイン
2 ハーンと『ミシシッピー河上の生活』
3 太平洋という水盤の中で
1 ハーン―日本で最も不快であったこと
2 ゴーギャン―天才とはかくのごときか
3 スティーヴンスン―薄命の人
4 ハーンの美学
1 ハーンと絵画―自筆画の魅力
2 ハーンと俳句―短詩型文学の心
3 ハーンとカメラ・アイ―眼の使い方
5 ハーンと出雲など
1 ハーンと出雲大社
2 ハーンと杵築の常宿
3 風狂の人ハーン
著者は、比較文学専門の研究者。中部大学名誉教授。(1916-2003)
評論とエッセーを交えたような比較的短い文章を一冊にまとめている。なかなか興味深い。
ハーンの友人のマタス医師のスピーチ(p.76~)とハーンが宿泊した際に世話をした宿屋の娘さんに後年おこなった聞き取り(p.184~)は、本書にしか収められていないのではないか。両者は特に興味深かった。
[筆者注]
(p.181)『へるん先生生活記』梶谷泰之(今井書店)
これは、改訂増補新版が出ている。『へるん先生生活記』梶谷泰之(1998・恒文社)。