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『日本人を考える 司馬遼太郎対談集』(文春文庫)

『日本人を考える 司馬遼太郎対談集』司馬遼太郎(文春文庫)

新装版2014年
367頁




目次(収録作品)

梅棹忠夫……日本は“無思想時代”の先兵
犬養道子……“あっけらかん民族”の強さ
梅原猛……西洋が東洋に学ぶ時代
向坊隆……日本の繁栄を脅かすもの
高坂正堯……政治に“教科書”はない
辻悟……若者が集団脱走する時代
陳舜臣……日本人は“臨戦体制”民族
富士正晴……“サル”が背広を着る時代
桑原武夫……“人工日本語”の功罪について
貝塚茂樹……中国とつきあう法
山口瞳……東京・大阪“われらは異人種”
今西錦司……人類を救うのはアフリカ人

本書は、昭和45年(1970)頃に行われた対談をまとめたもの。
雑談的なものが多い。騎馬民族説など時代を感じさせる事柄もある。また、自虐史観も結構見られる。
ところで、著者の国防意識は滅茶苦茶で論外である(同意している梅棹忠夫も同じ)。著者は、独裁の社会主義国家などの自国民の大虐殺や民族浄化などの凄惨な所業を知らないのか。「占領して住みついた」敵に、どうやって「同化」するというのだろうか。

(p.33)
司馬 戦争をしかけられたらどうするか。すぐに降伏すればいいんです。戦争をやれば百万人は死ぬでしょう。レジスタンスをやれば十万人は死にますね。それより無抵抗で、ハイ持てるだけ持っていって下さい、といえるぐらいの生産力を持っていればすむことでしょう。向こうが占領して住みついたら、これに同化しちゃえばいい。それくらい柔軟な社会をつくることが、われわれの社会の目的じゃないですか。
梅棹 目的かどうかはわかりませんけれども……いいヴィジョンですな。


[筆者注]
(p.182)「中国にも少林寺拳法があるが」
少林寺拳法は、日本発祥。「少林拳」は、中国のものだが。

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