『ベルツの日記』(上下)エルヴィン・フォン・ベルツ、トク・ベルツ編、 菅沼竜太郎訳(岩波文庫)
上巻
改訳版1979年
374頁
目次(収録作品)
第1編 渡日まで
第2編 異郷にて
第3編 第二の故郷
第4編 教職を退くまで
第5編 フランス領インドシナ・韓国へ研究の旅
日本における反独感情とその誘因
第6編 戦雲急
明治9年エルウィン・ベルツ(1849‐1913)は東大医学部の「お雇い教師」として招かれ、以来いく度かの帰国をはさんで滞日29年におよんだ。この日記は原題を「黎明期日本における一ドイツ人医師の生活」といい、かれが日本人妻ハナとの間にもうけた長男トクの編になるもの。上巻には来日直前から日露開戦前夜までの記事をおさめる。(全2冊)
本書表紙(カバー)より
下巻
1979年
429頁
第1編 日露開戦
第2編 ウラジオ艦隊の活躍
第3編 遼陽の会戦まで
第4編 沙河の会戦まで
第5編 旅順の陥落まで
第6編 奉天の会戦まで
第7編 対馬の海戦まで
第8編 帰国
ベルツの交際は皇室や伊藤博文・井上馨ら多くの高官をはじめとしてあらゆる階層の人々に及んだ。それがこの日記を明治裏面史の興味深い記録としているが、ここにはまた内外情勢に対するかれの並々ならぬ洞察力がうかがわれる。だが何よりも我々をうつのは日本を愛してやまなかったベルツその人の姿である。
本書表紙(カバー)より