『かみかぜよ、何処に 私の遺言 満州開拓団一家引き揚げ記』稲毛幸子(ハート出版)
2014年
216頁
目次(収録作品)
北満の北安
ソ連の宣戦布告
露兵がやってきた
舞う注射針
女露兵現る
腕時計と露兵の知性
婦女暴行と拉致
隣家の悲劇
終戦
顔に味噌を塗る
北安脱出
新京行きの車内で
大都市・新京
「死の収容所」で見た風景
三人の全裸の兵隊
新京での新生活
真田虫
娘たちに命を救われる
西陣織の袋帯
射殺
劇薬との闘い
「マンマ、マンマ」
母の言葉
阿片との葛藤
生き抜くための名案
新京の冬
濁酒の販売を始める
新京市街戦
神風よ、いずこに
引き揚げ開始
病院船の中で
日本上陸
「五族協和・王道楽土」―約70年前、多くの日本人がこのスローガンの元、満州(現中国東北部)に渡った。
当時20歳だった幸子も夫とともに満州に渡り、現地で産んだ二人の娘と慎ましくも幸せな生活を送っていた。しかし、昭和20年8月9日ソ連軍参戦によって、その生活は一気に暗転した。ソ連兵や現地民による略奪・殺人・拉致、強姦、そして極寒・飢餓…。「敗戦国の定め」とはいえ、なぜここまでつらい思いをしなければならないのか。
現在では数少ない満州開拓団の生き残りとして、当時を赤裸々に語る筆舌に尽くしがたい体験談。“大正生まれ”の91歳の女性が戦争を知らない世代に綴った“遺言”。アマゾン商品説明より
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『1945 わたしの満洲脱出記─普及版 かみかぜよ、何処に』稲毛幸子(2022・ハート出版)新書