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『魔女』ミシュレ(岩波文庫)

『魔女』(上下)ミシュレ、篠田浩一郎訳(岩波文庫)

上巻

2004年
339頁

目次(収録作品)

神々の死/なぜ中世は絶望したか/囲炉裏端の小さな悪霊/さまざまの誘惑/悪魔にとりつかれる/悪魔との契約/死者たちの王/自然の王者/サタン、医者となる/さまざまの魔薬と媚薬/反逆の霊的交わり―魔女の夜宴―黒ミサ/そのつづき―愛、死―サタンが消え失せる

古代の神々が追放されキリスト教が支配を確立する中世初期、歴史の薄闇の中に魔女はその姿を現わす。やがてルネサンスに至って、苛烈を極めた異端糺問により、おびただしい数の魔女が焚殺された。しかし、この魔女なるものとは一体なんであったのか? ミシュレ(1798‐1874)は中世以来の歴史の流れを追いながらその姿を浮彫りにしてゆく。

本書表紙(カバー)より

下巻

2004年
399頁

頽廃期の魔女。サタン、数を増し卑俗化する/魔女たちへの鉄槌/フランスにおける寛容の百年―反動/バスクの魔女たち。一六〇九年/サタン、聖職者となる。一六一〇年/ゴーフリディ。一六一〇年/ルーダンの悪魔につかれた女たち、ユルバン・グランディエ。一六三二ー一六三四年/ルーヴィエの悪魔につかれた女たち、マドレーヌ・バヴァン。一六三三―一六四七年/サタンは十七世紀に勝鬨をあげる/ジラール神父とカディエール。一七三〇年/尼僧院のカディエール一七三〇年/カディエールの裁判。一七三〇年ー一七三一年

教会、封建領主、さらには男の家族からも支配の鞭をあびせられつづけてきた中世の女たち。“魔女”は男性中心社会の歴史の中で女性がおかれてきた人間性喪失の極限状況を象徴するものである。この書物に描き出されたのは、女性の立場からみたヨーロッパの歴史にほかならない。民衆史家ミシュレの思索と体験のすべてがもりこまれた書。

本書表紙(カバー)より

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