『心を自然化する』(ジャン・ニコ講義セレクション2)フレッド・ドレツキ、鈴木貴之訳(勁草書房)
2007年
278頁
目次(収録作品)
第1章 感覚経験の表象的性格
1 表象の本性
2 自然的表象と規約的表象
3 表象システムと表象状態
4 表象される性質と表象される対象
5 志向性
6 心と脳――経験のありか
第2章 内観
1 置換知覚
2 他人の心を知る
3 自分自身の心を知る
4 経験なしの知識
第3章 クオリア
1 フレンチ・プードルとフレンチ・ワイン
2 表象される性質としてのクオリア
3 視点
4 電場を経験するとはいかなることか
5 電場を経験するものであるとはいかなることか
第4章 意識
1 意識的存在者と意識的状態
2 状態意識にかんする高階理論
3 意識の機能
第5章 外在主義と付随性
1 見えと付随性
2 置き換え論法とクオリア欠如
3 説明上の関連性
4 進化的起源
赤を見る経験や虫歯が痛む経験は、それぞれに独特の感じ(クオリア)を伴う。このクオリアこそが、経験を自然主義的に理解し、心を物的世界に位置づけるための最大の難関である。クオリアを経験の対象が持つと表象される性質として捉える「表象主義」のプログラムを展開し、現在最も有望とされる哲学的立場を作り上げた記念碑的著作。
出典:勁草書房公式サイト