2008年
370頁
目次(収録作品)
序章 倫理学へのけもの道
—— 倫理学の全体像をみわたす
第Ⅰ部 基礎編
第1章 動物解放論とは何か
—— 動物の権利運動を通して規範倫理学の基本原理を見る
第2章 種差別は擁護できるか
—— メタ倫理学の視点から人間を特別扱いする議論を吟味する
第3章 倫理は「人と人の間のもの」か
—— 社会契約説の視点から契約という考え方を倫理にとりいれてみる
第4章 倫理なんてしょせん作りごとなのか
—— 進化生物学を手がかりに道徳の理由と起源を考える
第Ⅱ部 発展編
第5章 人間と動物にとって福利とは何か
—— 動物実験問題を通して価値があるとは、幸せとはどういうことかを考える
第6章 肉食は幸福の量を増やすか
—— 菜食主義や工場畜産の論争を通して意思決定システムとしての功利計算や
第7章 柔らかい倫理から動物はどう見えるか
—— 野生動物問題を通して環境倫理学、徳倫理学、共同体主義、ケアの倫理に
ついて考える
終章 動物は結局どう扱えばいいのか
—— 往復均衡法を手がかりに倫理学の考え方と理論の改良の方法を考える
動物と人間とでは、なにが違うの? 動物倫理という「応用問題」を通して、倫理学全体へとフィードバック。動物実験、肉食、野生動物保護といった切り口から、人間の道徳までも考えてしまう、しなやかでスリリングでまっとうな入門書。
出典:名古屋大学出版会 公式サイト