2012年
526頁
目次(収録作品)
序
ローマ帝国の状況
ガルバとピソの養子縁組
オトの叛逆
ガルバの抵抗と最期
ゲルマニア軍の蜂起とウィテッリウスの擁立
ウィテッリウス派の将兵、イタリアへ進撃開始
オトと首都と属州
首都の不穏な気配
オトの出陣〔ほか〕
暴帝ネロの自殺後、ローマ帝国に泥沼の内乱が勃発した。各地の総督がその配下の軍隊に担がれて、次々と皇帝となったのである。紀元69年1月1日、ゲルマニア軍のウィテッリウスは、ヒスパニア総督であった元首ガルバに叛旗を翻す。アレクサンドリア軍からは、ウェスパシアヌスが皇帝として奉戴されていた。その結果、多くの市民の血が流れ、三人の皇帝が斃れた。そこには、人間の欲望が絡みあい、殺戮、陰謀、裏切りなど、凄まじい政争が繰り広げられた。本書は、希代の歴史家タキトゥスが、この同時代の壮大な歴史ドラマを、臨場感溢れる雄渾な筆致で記録したローマ史の大古典。
出典:筑摩書房公式サイト