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『日本人の自伝23 横井金谷・大崎辰五郎・添田唖蝉坊』(平凡社)

『日本人の自伝23 横井金谷・大崎辰五郎・添田唖蝉坊』(平凡社)(全23巻・別巻2巻)

1982年
431頁




目次(収録作品)

『金谷上人御一代記』横井金谷
『大崎辰五郎自伝』大崎辰五郎
『唖蝉坊流生記』添田唖蝉坊

横井金谷は、江戸後期の画僧。金谷山極楽寺で住職を務めた後、諸国を遍歴し、晩年は近江坂本に居を定めた。若い頃から絵を独習し、与謝蕪村に傾倒していたため、近世蕪村と称された。《金谷上人御一代記》は、著者50年の半生を七巻の絵巻物に綴った自作自画の自伝。全編を通じて説教調がなく、庶民性豊かな自伝で、天真爛漫な金谷の活躍が生き生きと描かれている。当時の民俗を知る上でも興味深い資料である。

大工職人の家に生まれ、幕末から明治に至る波瀾の時代を生き抜いた大崎辰五郎。その経歴は、口述自伝《大崎辰五郎自伝》以上には分かっていない。14歳で家出して、大工や船頭の見習いをし、博打などの悪事を覚えていく。職を転々とし、結婚と離婚を繰り返し、激しい気性と鋭い勘だけを頼りに貧民の世界を生き抜いて、やがて借家五百余軒、千坪の土地売買をする身代にのし上がったしたたかな生き様が、本書には飾らない言葉で語られている。

添田唖蝉坊は演歌師、社会主義者。神奈川県大磯の農家の次男に生まれ、船乗り、土方人夫、石炭の積み込みなどの仕事に従事した後、演歌に接し、演歌師として活躍するようになる。《唖蝉坊流生記》は、演歌師という特異な職業から社会主義者として政治に関与し、庶民の感情を演歌で代弁した著者の半生が綴られている。本書に収録された演歌には当時の世相が如実に反映されており、正史ではうかがえない庶民の心のひだを感じ取ることができる。

eBookJapan 商品説明より


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