『ストロベリー・デイズ― 日系アメリカ人強制収容の記憶』デヴィッド・A・ナイワート、ラッセル秀子訳(みすず書房)
2013年
394頁
目次(収録作品)
プロローグ 豊かな大地
第一章 ベルビューの開墾
第二章 イチゴ農場
第三章 ジャップはジャップだ
第四章 強制退去
第五章 当たって砕けろ
第六章 遠い家路
エピローグ 強制収容の記憶と意味
インタビュー協力者一覧
原註/文献一覧/人名索引・事項索引
今年(2013年)で、第二次世界大戦時の’日系アメリカ人(Japanese American)’強制収容の執行から71年目を迎える。この本は、あの全く理不尽な強制収容に対して、誇りを持って臨んだ日系人の体験を検証し、精確に記録したものである。
ワシントン州ベルビューにある日系人社会に焦点を当て、当時の米政府が推し進めた人種差別政策と、米国民の差別意識が明らかにされる。丁寧な取材による初公開資料に基づくもの。
偏見や不条理な差別を浮き彫りにし、こんなことが決して繰り返されてはならないと訴える力作である。アメリカでは、9・11以後、この主題は、新たな問題意識で俎上に載ることが多くなっている。
本書の大きな魅力の一つは、インタビュー対象者が語る生き生きとしたオーラルヒストリーにある。(略)
豊富な歴史資料を丁寧に調べ、収容体験者の生々しい証言をありのままに紹介した貴重な書物である。出典:みすず書房公式サイト