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『アメリカの汚名』リチャード・リーヴス(白水社)

『アメリカの汚名―第二次世界大戦下の日系人強制収容所』リチャード・リーヴス、園部哲訳(白水社)

2017年
372頁




目次(収録作品)

第1章 真珠湾―一九四一年十二月七日
第2章 大統領命令―一九四二年二月十九日 行政命令九〇六六号の署名
第3章 持てるだけのもの―布告第一号 一九四二年三月二日
第4章 「この国は白人だけのもの」-強制収容所オープニング 一九四二年三月二十二日~十月六日
第5章 砂漠のクリスマス―一九四二年十二月二十五日
第6章 アメリカ政府は、遅まきながら君を必要としている―二世の入隊 一九四三年一月二十九日
第7章 「忠誠」と「反逆」-トゥーリレイク収容所 一九四三年九月
第8章 「これがアメリカ的なやり方か?」-ハートマウンテン収容所における徴募拒否 一九四四年二月
第9章 「当たって砕けろ」-失われた大隊 一九四四年十月三十日
第10章 「家」に帰る―VJデー 一九四五年八月十五日

戦時中、12万の日系アメリカ人が直面した人種差別と隔離政策の恐るべき実態を描いたノンフィクション。

太平洋戦争中、敵国日本にルーツを持つというだけの理由で、12万人もの日系アメリカ人が劣悪な環境の収容所に隔離された。本書は、アメリカ人ジャーナリストが、自国の戦時ヒステリーが引き起こした「醜態」の一部始終を描いたノンフィクションである。マイノリティー問題の一つとして謝罪と賠償だけで片づけるのではなく、国家としてのアメリカが自国民に対してどのような仕打ちをし、それを追認・黙認してきたのか、自分たちの歴史として意識し続ける必要があるというのが著者のスタンスだ。
突然、日常から切り離され、収容所へと送られていく悲惨さや、収容所内における一世と二世との確執など、生存者へのインタビューのほか、私信や回想録、公的資料から積み重ねられるエピソードの数々は、微に入り細をうがち圧倒的である。
人種差別、排外主義、恐怖と表裏をなす報復感情……アメリカ史に連綿としてある暗部を暴きながら、冷静に事実を見据え、アメリカ社会の光と影を浮かび上がらせた力作。そこには当然、アフリカ系をはじめ、イスラーム教徒らマイノリティーに対して同じ行為を繰り返しはしないかと自問する姿勢が見て取れる。

出典:白水社公式サイト

本書は『INFAMY: the shocking story of the Japanese American internment in World War II』の翻訳。

[関連]
『INFAMY: the shocking story of the Japanese American internment in World War II』Richard Reeves
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