『メルロ=ポンティ・コレクション4 間接的言語と沈黙の声』モーリス・メルロ=ポンティ、朝比奈誼・粟津則雄・木田元・佐々木宗雄訳(みすず書房)全7巻
2002年
254頁
定価:3,300円(税込)
目次(収録作品)
セザンヌの疑惑
間接的言語と沈黙の声
眼と精神
エロチシズムについて
クローデルについて
アインシュタインと理性の危機
「絵画がまったく時間の外にあるということはけっしてない。絵画はいつも肉体的なもののうちにあるのだから」。
「画家はその身体を世界に貸すことによって、世界を絵に変える。この化体を理解するためには、働いている現実の身体、つまり空間の一切れであったり機能の束であったりするのではなく、視覚と運動との縒り糸であるような身体を取りもどさなくてはならない」。ひとりの画家の生涯をたどりながらその稀有な探究の足跡を浮き彫りにした「セザンヌの疑惑」、サルトル『文学とは何か』に対するひとつの回答として執筆され、マルローの絵画論『沈黙の声』批判を通して「スタイル」の概念を磨き上げた表題作、色は「われわれの脳髄と世界が出会う場所」と語ったセザンヌ、「線に夢見させ」たクレーをはじめ、「絵のなかで考える」画家たちに即して近代絵画の声なき思索をとらえた生前最後の論文「眼と精神」──メルロ=ポンティの初期・中期・後期をそれぞれ代表する絵画論3篇に加え、「エロチシズムについて」「クローデルについて」「アインシュタインと理性の危機」を収録。珠玉の芸術論集。
出典:みすず書房公式サイト