『朝鮮総督府官吏 最後の証言』(シリーズ日本人の誇り10)桜の花出版編集部編(桜の花出版)
2014年
240頁
目次(収録作品)
第1章 朝鮮總督府官吏の仕事
第2章 朝鮮人の仲間達
第3章 朝鮮總督府の組織解説
第4章 終戦時の朝鮮
第5章 日本統治と日韓の未来
編集部補足 朝鮮史と朝鮮總督府
筆者は、現在99歳。80年前の朝鮮で朝鮮人の知事が統括する行政組織で働き、朝鮮人と共に汗を流して働き、朝鮮は第二の故郷となった。 その西川氏が証言する「日本人と朝鮮人はとても仲が良かった!!」
(本書の取材記より)
日韓併合の実態を行政側から解説できる朝鮮總督府官吏としての証言はおそらく西川氏が最後であろう。他に朝鮮で生活した方がいたとしても終戦時は幼少であったり、当時を知る家族から伝え聞いた話が殆どになる筈である。それは一つの貴重な体験ではあるが、「朝鮮總督府の施政がどういうものであったか」という視点で語ることは難しい。だからこそ、この元官吏である西川氏の証言及びその写真、資料は日韓併合時の実態を知る上で貴重な記録である。
ここに証言されている内容は、戦後教育を受けた人にとっては、驚きであるに違いない。
取材に於いて西川氏は、朝鮮のごく平穏な生活と日常に触れ、そこで語られるのは幸せな朝鮮人と日本人の姿であった。特に地方行政府は朝鮮人官吏が主体の組織であり、官や軍による売春婦の強制連行などあり得ないこと、不可能なことが繰り返し述べられている。
また、貴重な写真からも朝鮮人と日本人が普通に仲が良かったことが分かる。朝鮮人が日本人の上司になることも普通であり、職場の仲間と日朝合同の野球チームを作り他のチームと戦ったり、時に桜の下で酒を酌み交わした楽しい想い出も多く、朝鮮人と日本人は共に朝鮮の発展を願い職務に精励していたという。
まるで現代社会と変わらないような錯覚を覚えるが、正にこれが歴史の真実である。
出典:桜の花出版公式サイト