『政治学論集 ハイエク全集Ⅱ-5』フリードリヒ・ハイエク、西山千明 監修、山中優 監訳、田総恵子訳(春秋社)
2009年
312頁
目次(収録作品)
第1部 自由主義の再興にむけて
(歴史家とヨーロッパの未来/モンペルラン協会の誕生―開会演説/十二年後の『隷属への道』)
第2部 自由主義とはなにか
(自由主義社会の秩序はどうあるべきか/経済的自由の理想はどう受け継がれてきたのか/自由企業における道徳的要素/自由主義―その歴史と体系)
第3部 歴史と概念の正しい理解
(歴史と政治/「社会的」という言葉―それはなにを意味するのか/政治思想における用語の混乱)
第4部 議会制民主主義の改革
(自由主義国家のあり方/経済的自由と代議制政体/民主主義はどこへゆく)
第二次世界大戦以後の政治学関連の論文をあつめた一冊。
「自由主義」と「民主主義」の対立は、現代風に言えば、「小さな政府」と「大きな政府」の対立ですが、本書はその両立可能性を考察しています。
具体的には
第一部、第二次世界大戦後すぐの、自由主義哲学再興へのハイエクの精力的な活動の記録
第二部、自由主義とはなにかを、アメリカの「リベラリズム」と比較しながら、再定義
第三部、歴史概念、誤った用語による考察がまねく、議論の混乱への警句
第四部、市場秩序と両立できる民主主義の提案
となっています。
「経済的自由」と「社会的公正」の解決をさぐるには、お薦めの一冊。出典:春秋社公式サイト