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『占領神話の崩壊』西鋭夫・岡﨑匡史(中央公論新社)

『占領神話の崩壊』西鋭夫・岡﨑匡史(中央公論新社)

2021年
701頁




目次(収録作品)

第1章 フーヴァー・トレジャーズ(極秘史料発掘)
第2章 敗戦を歪めた吉田茂憲法(GHQ直筆憲法/憲法試案 ほか)
第3章 東京裁判―戦友を裏切る海軍と陸軍(敗戦と焚書坑儒/阿片政策 ほか)
第4章 共産党殺しの特高警察―GHQへ再就職(東京裁判と特高警察/小林多喜二撲殺 一九三三(昭和八)年 ほか)

日本の敗戦前後、あまたの公文書が焼却されたと言われている。しかし、決裁文書などを除く多くが「私文書」として個人の手許に残されていた。これらの資料を、占領期に積極的に収集したのが、フーヴァー研究所東京オフィスであった。
フーヴァー研究所は、スタンフォード大学の第一期卒業生であった第31代米国大統領ハーバート・フーヴァーが1919年に設立した研究機関。戦後、フーヴァー自身、占領下の日本、ドイツに赴き、占領政策にコミットした。その一環として、資料収集計画があった。
駿河台の東京オフィスを拠点に、1945年11月から1951年3月まで、書籍・専門書・新聞などを含む1468箱が海路米国に持ち出された。これらの資料には、「GHQ直筆・日本国憲法の原文」「東京裁判の宣誓供述書」「関東軍特務機関の阿片政策」「日本共産党員の獄中手記」「特高警察の極秘史料」などの一次史料が多数含まれ、「フーヴァー・トレジャーズ」(Hoover Treasures)と呼ばれることになった。

本書は、こうして形成された「フーヴァー・トレジャーズ」から占領秘史を炙り出したものである。そこで浮かび上がるのは、日本国憲法制定をめぐるGHQと吉田茂の取り引き、東京裁判における天皇免訴をめぐる暗闘、満洲国の財政を支えた阿片取り引きとそれを担った三菱・三井、日本国内での阿片栽培……などの新事実である。
戦後に改竄された「歴史の欺瞞」を炙り出す試みであり、『國破れてマッカーサー』の続編、発展版とも言える著作である。

アマゾン商品説明より


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