『増補・新版 丸山眞男八・一五革命伝説』(松本健一伝説シリーズ6)松本健一(勁草書房)
2008年
285頁
定価:2,530円(税込)
目次(収録作品)
1 丸山眞男 八・一五革命伝説
はじめに──「無血革命」という言葉
戦争そして被爆体験
日本の軍隊の前近代性
「国体」イデオロギーと主権在民
「民主革命」という仮構(フィクション)
八・一五は敗戦の日
“戦後精神”としての「民主憲法」
丸山さんをめぐる若干の思い出
ネーションの独立と「平和憲法」問題
佐久間象山論あるいはナショナリズムの論理
「開国」をめぐって
ムラ共同体は「国体の最終細胞」か
原理主義という思想軸をめぐって
「無限遡及」的な超国家主義
橋川文三の反措定
永遠の八・一五──おわりに
2 「八・一五革命伝説」まで
ヴェニスの肉塊── 一九七三年の丸山眞男論
理念としての近代──丸山眞男.大塚久雄論
知的エリート意識の原基──丸山学派論
『「文明論之概略」を読む』書評
丸山眞男さんの思い出
丸山眞男さんを送る
3 「八・一五革命伝説」以後
八・一五革命という仮構
丸山眞男と日本思想史研究
増補・新版 あとがき
<1945・8・15=無血革命>ととらえた丸山眞男の足跡。8月15日はどのような日として仮構されたのか。戦後日本の出立者丸山眞男の思想形成過程の核心にせまる。
「昭和20年8月15日、日本に無血革命があった。」──この壮大な仮構(フィクション)をつくりあげたことによって、政治思想史学者だった丸山眞男は、<戦後最大の思想家>として屹立した。本書は、丸山眞男が仮説した、その仮構意識はどのようなかたちで生まれてきたのか、つまり思想形成過程の中に入っていった、はじめての丸山眞男論。
出典:勁草書房公式サイト