『日本再見録―ヘンリー君の現代日本ウォッチング!』ヘンリー・F・マクブライト、林望訳(PHP研究所)
2002年7月17日第1版第1刷発行
263頁
定価:1,540円(税込)
目次(収録作品)
第1章 学校にて 教育現場で啞然、呆然
第2章 町を歩けば 氾濫する「自販機」の狂気
第3章 便所と神様 美徳? 悪徳?「無菌」の国
第4章 不思議な旅 修学旅行、初日の夜から大酒乱酔
第5章 日本食(Japanese food)とはなにか
第6章 郵便受けの中の人生 驚嘆!「宅配裏ビデオ」のカラクリ
第7章 結婚式の奇々怪々 無宗教国の超宗教的儀式
本書は、1990年代前半にイギリス人青年が、日本の高校で英語講師として滞在した際の日本観察記。
教育現場、修学旅行、結婚式など外国人は普通は体験できない事々を英国人の視点で軽妙に叙述している。
なかなか鋭い観察眼と時折見られる皮肉がなかなか興味深い。同僚教師ヤマシタは、博学な人で正しい知識を著者に教えている。
[筆者注]
(p.146)「ラーメンのほうは、カレーライスと違って、ふつう家庭ではつくらず」
(これは、間違い)
(p.147)「ジャガイモというのは、日本へは元来西方から渡来した帰化作物で、栽培されるようにはったのは。たぶんここ百年以内のことにすぎない」
(そんなことはない、もっと古い。ただ、ジャガイモの中のある品種はそうかもしれないが)
(p.155)「醤油だって、もとはといえば中国・朝鮮から渡来した舶来の調味料であった」
(中国起源説もあるが、日本起源説もある。また、いわゆる「本格醤油」ということなら日本発祥である。)