2014年
303頁
目次(収録作品)
第1部 「よもの海」―平和愛好から開戦容認へ
(「平和」がもっとも近づいた日―昭和十六年九月六日/御製は大御心である/「よもの海」の波紋はいつ鎮まったか/「不徹底」に気づいた高松宮と山本五十六)
第2部 「よもの海」の戦後
(「平和愛好」へのリセット/映画『明治天皇と日露大戦争』の「よもの海」/明治百年の『明治天皇紀』公刊/アメリカで蘇える「よもの海」の記憶 ほか)
御前会議で読み上げられた明治天皇の御製、その解釈を巡る闘いが昭和史を動かした――。「よもの海みなはらからと思ふ世に……」、それは本来言葉を発してはいけない天皇が、戦争を避けるためにあえて読み上げた御製であった。しかしその意思とはうらはらに、軍部強硬派による開戦の口実に利用され、さらに戦後の戦争責任にも影響を及ぼしていく……。御製はいかに翻弄されていったのか――知られざる昭和史秘話。
出典:新潮社公式サイト