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『論争と「詭弁」』香西秀信(丸善ライブラリー)

『論争と「詭弁」―レトリックのための弁明』香西秀信(こうざい・ひでのぶ)(丸善ライブラリー)新書

1999年7月20日初版発行
185頁




著者は、学者(専門は、修辞学・国語科教育学)。(1958-2013)

修辞学、レトリックについて4つの事例を取り上げ考察・解説している。

第一は、プラトンの『パイドロス』にある「リュシアスの演説」の「自分を恋している者よりも恋していない者にこそ、むしろ身をまかせるべきである」という詭弁について。

第二は、古代ローマの修辞学校の訓練方法、デークラーマーティーオー(コントローウェルシア)について。

第三は、織田信長の臨席のもと、イエズス会宣教師のルイス・フロイスと日本の僧侶・日乗とが行った宗論(しゅうろん)における詭弁について。

第四は、デイビッド・ヒュームが「奇跡論」において奇跡の実在を否定したことに対して、リチャード・ウェイトリーが、ヒュームの論理によればナポレオンの実在も否定できると『ナポレオン・ボナパルトに関する歴史的疑義』で反論したことについて。

それぞれの事例も中々興味深く、そつなくまとめられている好著。

(修辞学の)詭弁について興味ある人には、おすすめの本。

[参考]
『論より詭弁』香西秀信(光文社新書)

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