『日本人と日本文化 対談』司馬遼太郎、ドナルド・キーン(中公文庫)
1984年4月10日初版発行
1996年8月18日改版発行
244頁
目次(収録作品)
第1章 日本文化の誕生
第2章 空海と一休―宗教の普遍性について
第3章 金の世界・銀の世界―乱世の美学
第4章 日本人の戦争観
第5章 日本人のモラル―儒教をめぐって
第6章 日本にきた外国人
第7章 続・日本人のモラル
第8章 江戸の文化
「ますらおぶり」と「たおやめぶり」、忠義と裏切り、上方と江戸の違い、日本にきた西洋人―雄大な構想で歴史と人物を描き続ける司馬氏と、日本文学のすぐれた研究者であるキーン氏がともに歴史の香りを味わいながら「双方の体温で感じとった日本文化」を語る、興趣つきない対談。
アマゾン商品説明より
小説家の司馬遼太郎(1923-1996)と日本学者のドナルド・キーン(1922-2019)との対談本。
博学の両者が書名の通り日本人・日本の文化について語りあっている。時代ごとに時系列順に論じられていて分かりやすい。また、本対談は約50年も前の1972年(昭和47)に行われたものだが、近年になされたかのように生き生きとした語り口でよい。両者とも平明な言葉づかいで、誤魔化すようなところはなく知的に誠実で好感をもつ。
なかなかおすすめの本。
一点、気になったのは、日本人・日本文化を語るのに皇室(の伝統)について全く触れていないこと。これは時代的な理由か。奇異である。
[関連]
『ドナルド・キーン著作集 第9巻 世界のなかの日本文化』(新潮社)
『日本人と日本文化』司馬遼太郎、ドナルド・キーン(1972・中公新書)
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