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『現代語で読む舞姫』森鴎外(理論社)

『現代語で読む舞姫』森鴎外、高木敏光訳(理論社)

2012年5月初版発行
150頁




目次(収録作品)

舞姫
うたかたの記
文づかい

解説(渡邉文幸)

著者(訳者)は、ゲーム等のクリエーター。

本書は、森鴎外のドイツ三部作を現代語訳したもの。原文はなく訳文のみ。
原作に忠実に中学生くらいから読めるように平易に訳されている。(注も最小限)そのため話はよく理解できてよいのだが、原文の格調は感じられない。

こまかい誤訳が散見されるように思う。気になった所を2つあげる。

(p.55)「……まだ暑い時期だったので、窓は開け放たれていた。……」

原文「日は暮れたれど暑き頃なるに、窓悉(ことごと)くあけ放(はな)ちはせで、」なので、「窓を一つも開け放ちもせず」ではなかろうか。

(p.65)「……夕方の汽車で、ドレスデンに発ちました。」

原文「夕(ゆうべ)の汽車にてドレスデンを立ちぬ。」
ここは「ドレスデンを」の間違いだろう。

[関連]
筆者も鴎外のドイツ三部作を訳しています。当サイトの支援も兼ねてご購入頂けると幸甚でございます。
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