1992年2月17日初版発行
314頁
目次(収録作品)
騎馬型国家と農耕型国家
愛憎の日米関係史
歴史と「血の論理」
甲殻類の研究
公的信義と私的信義
小佐野賢治考
江戸の「改革」について
腐敗の中の指導者論
義務教育を廃止せよ
なぜ英国病が生れたか
今、まさに激動の時代。何が正しく、何が間違っているのか、確固たる歴史的視点なくしては、物事の本質を見誤りやすい。本書は、歴史に対する深い教養と鋭い洞察をもって知られる著者が、「騎馬型国家と農耕型国家」「愛憎の日米関係史」「腐敗の中の指導者論」など、広範なテーマにわたって日本の歴史に一貫して流れる伝統精神を探り、普遍的で本質的な真の価値とは何かを解き明かす。時代の推移とともに、ますます輝きを放つ評論集である。
アマゾン商品説明より
著者は、英語学者、評論家。(1930-2017)
本書は、雑誌『諸君!』などに載った論説を一書として編集したもの。1977年に単行本(文藝春秋)。
あまり知られていない米国での中国人移民への排斥運動や、同じくあまり知られていないが、非常に重要な「人種的差別撤廃提案」等をきちんと指摘している良質な論説「愛憎の日米関係史」。また、「腐敗の効用」の事例を論じたような論説その他が収められていて、なかなかよい。
[筆者注]
「日本は二個の原爆を含む空襲と、二百万を越えるといわれる戦死者(略)」
第2次世界大戦の日本の軍人・軍属の戦死者は、(諸説あるが)約240万人。民間人の死者を含めると約310万人だといわれる。
(Wikipedia)
(p.273)「パーキソンの法則」。パーキンソンの法則が正しい。(本書のほかの箇所では、正しくパーキンソンとなっている。)