1990年
376頁
目次(収録作品)
花火/山東京伝/尽頭子/烏/件/木霊/流木/蜥蝪/道連/柳藻/支那人/短夜/石畳/疱瘡神/白子/波止場/豹/冥途/旅順入城式
いまかいまかと怯えながら,来るべきものがいつまでも出現しないために,気配のみが極度に濃密に尖鋭化してゆく――このような生の不安と無気味な幻想におおわれた夢幻の世界を稀有の名文で紡ぎだした二つの短篇集を収める.漱石の「夢十夜」にも似た味わいをもつ百閒(1889―1971)文学の粋. (解説 種村季弘)
出典:岩波書店公式サイト
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『内田百間集成3 冥途』(2002・ちくま文庫)