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『私はすでに死んでいる』アニル・アナンサスワーミー(紀伊國屋書店)

『私はすでに死んでいる―ゆがんだ〈自己〉を生みだす脳』アニル・アナンサスワーミー、藤井留美訳(紀伊國屋書店)

2018年
352頁




目次(収録作品)

第1章 生きているのに、死んでいる―「自分は存在しない」と主張する人びと
コタール症候群「私の脳は死んでいますが、精神は生きています」

第2章 私のストーリーが消えていく―ほどける記憶、人格、ナラティブ
認知症「こんにちは、かしら。もうわからなくて」

第3章 自分の足がいらない男―全身や身体各部の所有感覚は現実と結びついているのか?
身体完全同一性障害(BIID)「この足は断じて自分の足ではない」

第4章 お願い、私はここにいると言って―自分の行動が自分のものに思えないとき
統合失調症「自分が崩れて、溶けていくような気がする」

第5章 まるで夢のような私―自己の構築に果たす情動の役割
離人症「悪い夢がずっと続いているようだった」

第6章 自己が踏みだす小さな一歩―自己の発達について自閉症が教えてくれること
自閉症スペクトラム障害「抱きしめられるのは、檻に閉じこめられる感じがした」

第7章 自分に寄りそうときー体外離脱、ドッペルゲンガー、ミニマル・セルフ
自己像幻視「もうひとりのぼくがいたんだ」

第8章 いまここにいる、誰でもない私―恍惚てんかんと無限の自己
恍惚てんかん「自分自身および宇宙全体と完璧に調和しているのだ」

「いやいや、私の脳は死んでるんです。精神は生きてますが、脳はもう生きてないんですよ」

「自分は死んでいる」と思いこむコタール症候群、自分の身体の一部を切断したくてたまらなくなる身体完全同一性障害(BIID)、何ごとにも感情がわかず現実感を持てない離人症――

自己感覚が損なわれる珍しい精神疾患を抱える患者やその家族をはじめとし、ドッペルゲンガーの経験者、自閉症スペクトラム障害の当事者などへのインタビュー、それらを治療・研究する精神科医や神経科学者への取材をもとに、不思議な病や現象の実相を描き出す。著者はときには違法な下肢切断手術の現場に同行したり、錯覚を起こす実験に参加してみずから体外離脱を体験しようと試みたりするなど、ユニークなアプローチで〈自己意識〉という難問に迫る。

〈私〉とは、いったい誰なのか? 神経科学の視点から〈自己〉の正体を探るポピュラーサイエンス読み物。

出典:紀伊国屋書店ウェブストア

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