1992年10月10日初版発行
287頁
目次(収録作品)
1 神道と私
神道敵役説を排す
日本人を支えるもの
2 神道と日本文学
原質、原型への眼ざし
『源氏物語』の神話感覚
『源氏』における宗教状況
鎮魂歌としての『平家物語』
『和布刈』というドラマ
志賀直哉の神道的感受性
神なき神秘主義
尾崎一雄の神道回帰
3 折にふれて
新宗教の時代
アンチ神道派に与う
神道復興のために
芭蕉と神道
死者たちとの連帯
お正月の思い出
著者はアメリカ文学者、文芸評論家ほか。(1922-2016)
本書は、新聞や雑誌に掲載された文章を一書にまとめたもの。
著者が古くから続く神道の神主の家系であることを知っていたので、書名からも神道について学べると思って本書を手に取ったのだが、期待はずれであった。誤解を招く書名である。
第1章は、いちおう神道についての話だが薄い。
第2章は、文芸評論で、目次にあるように『源氏物語』、『平家物語』、志賀直哉、尾崎一雄の作品などを論じていて神道とはほぼ関係のない内容。
第3章は、主に新聞に掲載されたもの。サヨクや社会主義、共産主義をしっかりと批判している「新宗教の時代」と「アンチ神道派に与う」(初出はどちらも1984年)は、中々よい。