『無文字社会の歴史―西アフリカ・モシ族の事例を中心に』川田順造(岩波現代文庫)
2001年
359頁
目次(収録作品)
非文字史料の一般的性格
文字記録と口頭伝承
モシ族の場合
系譜の併合
絶対年代の問題
歴史の始点
反復する主題
口頭伝承の定型化
首長位の継承
歴史伝承と社会・政治組織
イデオロギー表現としての歴史伝承
歴史伝承の比較
制度の比較
発展段階の問題
「伝承的」社会という虚像
神話としての歴史・年表としての歴史
文字と社会
おわりに
無文字社会の歴史のあり方を探究することは,人類文化における文字社会を相対化する視点を築くことに通ずる.1960年代から70年代前半に西アフリカ・モシ族を現地調査し,口頭伝承や太鼓ことばなどの豊かな音の世界や儀礼から無文字社会の歴史と構造を鮮やかに分析した本書は,日本の文化人類学の記念すべき達成である.
出典:岩波書店公式サイト